環境・生活・風習
グソーのお正月
☆もうすぐ十六日祭☆
十六日祭というのは、旧暦一月十六日に行われる
供養行事で、まぁ要するに「グソー(あの世)の正月」
です。墓参りや先祖供養のために公的機関が半休に
なるのは(お盆を除いて)沖縄ぐらいかもしれません。
八重山では、正月や旧正月に帰れなくても十六日祭
だけは何としても帰郷する!という人もいます。
黒島では、お墓の掃除や手入れもしますが、家の
仏壇に御馳走やお菓子を並べて祈るご家庭が多い
ようです。自分の家だけでなく、縁のある家の仏壇も
拝んで回るので、親類縁者の多い人は大忙しです。
スーパーのチラシにも十六日祭の文字と広告が躍ります。今は便利な時代だとおじぃおばぁは
言います。昔は仏壇に上げる御馳走も、ほとんどすべてが手作りだった。豆腐なんかも自分の
家で作ったそうです。今はオードブルを電話一本で注文でき、手間もだいぶ省けるから上等、と。
特に血縁が無くても、お世話になった方々の家を訪ねて嫌な顔をする人はいません。
離島で、しかも人口が少なくて血縁も人間関係も濃いぃ社会によそ者が飛び込むのは
いろいろと難しい面もありますが、まるで本当の家族のように温かく迎えてくれる方が
いるのは、ありがたいことだなぁと思います。実家が遠く、なかなか帰れない自分には
第二の故郷のようです。自然と旧暦行事をチェックする習慣が身に付いてしまいます。