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妊娠・出産

出産体験記

私の初産体験記です。すごく長い上に、生々しい表現も
あります。出産に興味、関心のある方向けの内容です。

2月某日。予定日を数日過ぎて、陣痛が起こる気配なく
エコーで見る限り赤ちゃんは大きめ、母体は太り過ぎで
むくみが酷かった為、誘発分娩にしましょうということで
お産の支度を揃えて入院。初日は陣痛室という部屋に一人
横たわり、一時間ごとに誘発剤を一錠ずつ、計6錠飲む。

続きがあります

出産体験記 
分娩監視装置
胎児の心拍と母体の子宮収縮をモニタリングする機械。
ナースステーションと連携。
お腹にベルトを巻くため、モニター中自由に動けない。

↑この機械に繋がれて陣痛が来るのをひたすら待つ。
いつ始まるか分からない。錠剤は、子宮口を柔らかくしながら
緩やかに作用するらしいので、陣痛促進剤のような即効性は
無いそうだ。入院に付き添ってくれた夫は、結局そのまま
仕事を休んでしまったけれど、初日は手ごたえなく終わった。

入院二日目

病棟から再び陣痛室に移り、引きこもり状態になる。
一時間ごとに誘発剤を飲む。5錠目ぐらいから徐々に
下腹部に鈍い痛みを感じる。大抵の女性なら想像つくと
思うけど、生理痛のような痛み。午後3時過ぎ、痛みが
15分~10分間隔になり、陣痛だと気づく。だんだんと
痛みが増していき、一人で耐えることに不安を感じて
夫にメールをする。(出産に立ち会い希望だったので)

ベッドに横になっているのがつらくなり、妊婦用の
椅子?陣痛の時に上半身を預けて座れるような所に
腰掛けて、前かがみになり、クッションに抱きつき
夫が来るまでひたすら「痛みを逃す」ことに集中する。

この時点で、既に母親学級で習った呼吸法を実践する
余裕などなく、腰をさすってくれる助産師さんのリードで
言われるままに「ふぅー」とか「うーん」と息を吐くだけで
頭がいっぱい。次第にオオカミのような唸り声が出始める。

夫が到着し、助産師さんと交替して腰や背中などを
一生懸命擦ってくれる。夫には申し訳ないが、やはり
プロの助産師さんのツボを心得たマッサージの方が
何十倍も癒されることに気付く。が、夫のマッサージを
否定したり、拒否する余裕はなく、されるがままだった。

尿意や便意を感じ、いろいろなモノを出したい衝動に
駆られる。いわゆる「いきみたい感じ」。これが強い
痛みと共に襲ってくるので、ついにおかしな声が出て
理性が失われ始める。半分人間、半分は野獣みたいな。

陣痛の合間に、助産師や夫の肩を借りて、ほんの数mの
距離にある診察室に唸りながら向かう。陣痛の合間の
内診はとてもつらい。地獄の拷問かと思う。お産が早く
進むように刺激もされるのだが、思わず全力で痛い!と
大声で抵抗してしまう。何回目かの内診で、赤ちゃんの
体の向きが逆だということが判明。固い後頭部が母体の
尾骨を刺激していたので、最初から強い陣痛になったと…

「赤ちゃんの向きを変えるから、痛いけど頑張ろう」と
言われ、ものすっごく痛い最中に、ベッド上でものすっごく
キツい体勢をさせられる。「お母さんつらいけど、赤ちゃんも
頑張ってるよ」という励ましも、その時は心に響かなかった…。

子宮口7センチ開大で分娩室へ移動。全開になれば思う存分
いきめるぞ!とちょっとホッとするが、さらに強い痛み、もう
言葉に例えられない、爆発しそうな痛みが数分おきに来て
本当に体が爆発するんじゃないかと思うぐらい、大声で騒ぐ。

頭の片隅では「あーみっともない、情けない。こんな騒いで」
「叫ぶ妊婦にだけは、なりたくなかったのに」と思っているが
衝動的な叫びを理性で抑えることが全くできない。制御不能。

そして、一晩寝ずに陣痛だったので、痛みの合間に強力な
眠気に襲われ、何度もフッと意識が飛ぶ(それが唯一の休み)。

汗でヌルヌルになった手で必死でバーを掴み、今まで出したことも
ないような声を上げ、今まで振り絞ったこともないような力を込めて
(本当は声を出さない方がいいんだけど)精一杯いきむ、いきむ。

さあいよいよ最終段階という所で、別室に待機してもらっていた
夫が呼ばれる。もうこんな姿は見られたくないと思っていたが、
夫はドン引きするでもなく、うろたえるでもなく、ひたすら私を
励ましていたような気がする。汗も拭いてくれたし、飲み物も
飲ませてくれた。ここまで付き合ってくれたのに、出て行けとは
とても言えない。もういい。私の「野性」を見るがいいと開き直る。

すでに二日目も終わり、三日目の朝になっていた。陣痛室で出た
夕食には手を付けなかったので、水分と点滴だけで過ごしていた。

最後の最後。私がふと思ったのは「何だこの拷問は。いつまで
地獄が続くんだ。」ドクターが覆いかぶさるように私のお腹を押し、
「何てことをするんだ。もう死んでしまうぞ!」と思った次の瞬間、
生温かい何かが、私の体をスルリと通り抜けていく感触があり、
(あの感触は忘れられない。)「おめでとうございます」という声。

一気に痛みから解放されて、拍子抜けする。え?終わり?
産道を通るために頭の形を変形させた我が子が、真っ赤な顔で
「ほぎゃ」と声を上げた。あ、本当に生まれたんだ、すごい。

胎盤を出す時も痛かったけど、その後はもう、いつもの自分に
戻っていて、冷静に「胎盤見せてください」などと平気で言う始末。
「あー、普段は冷静な人なんだね~。」と助産師さんに言われる。

お産がこんなに自分を狂わせるとは思っていなかった。
まさに「なりふり構わず」で、自慢できるものは何もない。
書いていて恥ずかしいぐらいだ。安産とも言えないし、そんな
難産でもないし。強いて言うなら、騒ぐお産と書いて「騒産」?

これからお産をする方へ。苦しみには必ず終わりがあるし、
痛みと引き換えに大きな喜びが待っています。理性が飛んでも
大丈夫。叫んでもいいと思う。全身全霊で出産に挑んでください。

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