石垣島
御神崎 「姉の頭」石
別名「フチブイ岩」
石垣島、崎枝半島にある御神崎(ウガンザキ、オガンザキ)は
切り立つ断崖に打ちつける荒波、足元もすくむような絶景ポイント。
大岩の上にちょこんと乗った小岩、これはブナリィ(ブナリヌ)ツブルイシ
(姉の頭石)または「フチブイ」とも呼ばれているそうだ。
姉の頭石の伝説は、酒飲みで道楽者の弟を叱りつけた姉が、
逆ギレした弟にナタで首を切り落とされ、その首が弟を噛み殺し、
飛んで行って岩になったという恐ろしい話。
フチブイの伝説は、畑で働く兄のために毎日弁当を届けていた妹が、
その日は具合が悪く、いつもより弁当を届けるのが遅くなってしまい、
激怒した兄貴は弁当の包み(フチブイ)をブン投げてしまった、それを
見ていた八重山の神々が、弁当包みを岩の上に置いたという話です。
どちらの伝説も、血を分けたきょうだいによる身勝手な行為ですが、
姉の頭石の方が恐ろしくて残酷。どんな台風でも飛ばされない岩が
人々の想像力をかきたてて出来た伝説なのでしょう。
ちなみに沖縄や奄美には古来、「ウナリ(ウナイ)神」信仰といって
女性を神聖なものとして崇める文化があり、姉妹が兄弟を「霊力」で
守ると信じられていたとか。弟を案じる姉、兄を思う妹、その思いに
逆らって身勝手なことをすると、「バチかぶる」(罰が当たる)という、
戒めの意味もあるのかもしれません。
私にも弟がいます。所帯持ちで子供もいますが、いつまでも弟である
ということは変わらない。まぁ喧嘩もたくさんしましたが、兄弟姉妹は
互いに応援し合って、仲良くやっていくのが一番だと思います。